ネットリサーチの抱える問題の象徴のようなアンケート

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ネットリサーチというものが一般にも認知されるようになって久しい。有名どころではマクロミルインフォプラントといったところだ。

しかしながら、ネットリサーチといったものに限らず、いわゆるアンケート調査に対する認識の低いことは、非常に気になる。新聞社やお役所が行うアンケートでも恣意的に回答を誘導しているものなどを多く目にする。また、そもそも調査のスキルの低さ、安易な取り組みに閉口させられるクライアントが多かった。

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さて、自分はそんなネットリサーチの世界で何年間か仕事をしてきており(現在はすでに足を洗っている)、業界事情も分かっている方だ。他者動向を知るという目的で(お小遣い稼ぎの意味も少々・・・)、自分はいくつものネットリサーチのモニター(正しくはパネルと呼ぶべきだが、なぜかモニターと慣例的に呼ばれるようになっている)になっている。
さて、かつての「Livedoor Voice」がしばらく休止状態であったが、しばらく前から「Livedoor リサーチ」となって活動を再開している。しかし、情けないことに、そのシステムは「アンとケイト」のシステムを借りて(ASPかもしれない)運営している。以前は(あまり優れたシステムではなかったが)自前のシステムでやっていたのにねぇ・・・。

livedoor1.bmp

さて、その「Livedoor リサーチ」から久々にアンケートの協力依頼がきた。タイトルは「カー用品に関するアンケート」。早速やろうと思い、回答ページのURLをクリックしてみると・・・、あきれ果てた。
上のアンケート回答ページ画像をクリックしてほしい。このページの右上を見ると、なんと「1/67ページ」だと。つまり、全部で67ページあるということだ。分岐ロジックによって、全問を回答することはない場合もあるが、それでも多すぎる。これだけの量のアンケートを果たして最後まで、真面目に応えるモニターがいるであろうか。いたとしても、どんなに一生懸命に答えても途中で集中力が続くはずもなく、つまりは精度の高いアンケート結果が得られるはずはない。これは前述した「安易な取り組みに閉口させられるクライアント」のパターンであると思われる。「謝礼を払うのだから、問いかけさえすればいくらでもモニターは答えてくれる」という幻想を持っているクライアントが多い(ネットリサーチの実査者にも意外といるのだが)。

この「1/67」を見た瞬間に自分はもう答えるのをやめた。

「全ての設問にご回答いただいた方の中から抽選で200名の方に、100ポイント差し上げます。」

ということだが、1ポイント=1円の謝礼となるが、100円で見合う作業量ではないし、真面目に答えようとも、最後まで集中してなんか答えられるはずはない。
かわいそうに、この調査の発注者は正確でない(はっきり言えば精度が低く、誤った結果が導き出されるであろう)アンケートを費用を払ってやっているわけだ。おそらくは、そのことに気が付かずに、何事もなかったように適当に調査報告書が作られるのだろう。

このようなネットリサーチの現状が、自分がネットリサーチから足を洗った理由の一つだ。今後もネットリサーチのニーズは高まるであろうし、新しい手法(或いは技術)が開発はされるであろうが、それに関わる多くのクライアント、実査者も残っていくのだろう。

自分は決してネットリサーチが嫌いなのではない。今後も必要な手法であると考えているし、そのメリットもデメリットも分かっている。しかし、それを取り巻く環境の危うさを危惧している。

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4件のコメント

  1. kira2006年4月3日 2:36 AM返信


    鏡味正明さん こんにちわ~ お久しぶりです。

    ネットリサーチ業者間での品質の差はますます大きくなっていますね。自分のダメさ加減を自覚していない業者もいますし・・・。

    クライアントの言う通りにしか出来ないとか、明らかなコーディングミスが連発しているところとか、そもそもアンケートと言うか調査、マーケティングの分かっていないところが多いのが、今後の先行きを不安にさせます。

    ネットリサーチ自体は調査の1手法として有効なので、鏡味さんの仰る通り、いい業者には残ってもらいたいですね。すでに業者の統合は始まっています。先日も、矢野経済研究所のYDSがinfoQに営業を譲渡しましたしね。

    ともあれネットリサーチにかかわっていたものとしては、良い方向に発展していって欲しいなと願っています。

    http://kira-ism.seesaa.net/

  2. 鏡味正明2006年4月3日 1:28 AM返信


    すみません。鏡味です。一言。

    ネットリサーチにおいても品質の悪いものは淘汰されると思います。
    品質を上げようと努力している会社はたくさんあるので、そうしたところには残ってもらいたいと思っています。
    ですが、それはまた、いかんせん、品質以外の問題もあるので、なかなかねぇ。

    http://www.answers-net.com/blog

  3. kira2006年3月30日 12:31 AM返信


    riseさん こんばんわ~
    「金(報酬)を払うんだから、モニターはなんでも真面目に答えるものだ」って認識の人、いるんですよ。クライアントは勿論、ネットリサーチを生業としている人でも。
    そもそもモニターには(真面目に)回答する義務なんてなくて、「お願いだから答えてください」ってスタンスで接しないといけなんです。ホントにその辺の見識のない人が多くて、ネットリサーチを低く見る風潮が生まれていると言う面があります。

    riseさんみたいに「1000円くれても答えない」というスタンスで対応するのが一番いいんですよ。回答数が足りないのが、精度の低い結果が出るよりも、クライアントにダメージを与えるから。
    アンケートの精度の低さは検証しないと分からないのですが、回答数が少ないのは一目で分かるし、調査が成立しないと言うことになりますからね。

    http://kira-ism.seesaa.net/

  4. rise2006年3月29日 8:36 AM返信


    こんにちは、riseです。

    よくありますね、こんな膨大なアンケート。

    回答内容によって項目が増える場合は仕方ないとしても、67ページはひどいですね。

    自分なら1000円報酬確定でもやりません。

    みんな、大量ページの回答にならないように、事前質問に答える際適当にやったりしてますから、実際は数ページにわたるアンケートの有効性は低いような気がします。

    http://money-money-money.seesaa.net/

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