さる2月25日、アジャイルメディア・ネットワークさん主催のbloggers’ meeting『リモートアクセスで便利になるPCライフ!「LogMeIn」bloggers’ meeting』に参加した。
LogMeInは2010年1月にサービスインしたばかりのASP型リモートアクセスサービス。
そもそもはアメリカのLogMeIn社のサービスであり、これをNEC biglobeがローカライズして、日本国内で事業展開しているもの。
リモートアクセスと言えば、現在の自分の仕事環境がWindowsのRimote Desk Topで会社のサーバ上にあるバーチャルマシンを操るというものなので、段々の興味が出てきたところのお誘いで、「これは!」と思い参加。仕事以外でも、実家の両親のマシンのメンテもこれでしてやるかなぁ・・・などとも思い(個人ではこの目的で使う人が一番多いのではないかな?)、興味津々だった。
前日に、実際に自分のマシンにLogMeInをインストールし、残念ながらリモートアクセスできる端末を持っていないので、自分自身にリモートアクセスするという無茶な状態で一通りの操作を体験してから会場へ向った。
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NEC biglobeさんのプレゼンから僕が気になったポイントを列挙するとこんな感じ。
・持ち出したパソコンを紛失・盗難という事件が多発している。リモートアクセスであれば、データを持ち歩かないのでセキュア。
→シンプルなID/パスワードでの認証しかないので大丈夫かな?と思ったけれど、これはほとんどのサービスのログイン時の認証と同様であり、特にLogMeInが脆弱ということではないし、アクセスされるPC側の設定を変えれば大丈夫だね。それにWindowsにリモートアクセスする際にはWindowsLogInでID/パスワードを聞いてくる。
・ざっくりと、日本国内のインターネットVPN市場規模は2007年に100億円、ASP型リモートアクセス市場規模は2009年に565億円。
→意外と大きいんだなぁ!
・先行するアメリカでもASP型リモートアクセス市場が急拡大している。日本でも動揺に急拡大を期待している。
→ASP型リモートアクセス市場が拡大した要因、今後の拡大を期待する根拠をもう少し探りたいなぁ・・・。
・無償版のLogMeIn(勿論幾分かの機能制限あり)でも、サポートがある。
→これは素晴らしいね!
・アクセスが集中しても影響を受けにくい、低コストのを採用(ゲートウェイは認証と簡単な管理をしないことで実現した)
→「ダイレクトアクセス形式」って具体的にどういうものなのか、把握できなかった・・・。
・3ステップの簡単設定
→ナビゲーションのせいで分かりにくい面はあったけれど、確かにシンプルだった。これは評価できる。
・Wake On LANに対応
→これはニーズあるだろうね。
・他のサービスに比べ安価な価格設定。しかも無料サービスまであるのは(恐らく)LogMeInだけ。
→これは諸刃の刃。普及の足掛かりにはなるけど、儲からない事業となる可能性もあるのでは?
・動画も扱えるけれど、高画質ではない。音声は問題ない。
→その程度の性能で充分だと思う。
単なるリモートアクセスだけでない機能として使って見たいと思ったのは、リモート接続先とデスクトップ共有をしながら画面に書き込めるホワイトボード機能。かなり便利。これが安価かつ簡単に出来るのはいいね。
ただ、これを使う機会は滅多になさそう・・・。
ここでテストユーザとして加藤ゆりさんが登場。彼女は東大経済学部4年生の現役アイドルなのだそうで。
詳しくはこちら
↓
加藤ゆり – Wikipedia
LogMeIn☆|かとゆりブログ
実際に使っての感想など話してくれた。所属事務所でのスケジュール共有・管理等に使っているとのこと。
その様子を少しだけ。
なんかみんな急に凄い勢いで写真やビデオに撮りだして驚愕した!
そして恒例の軽食を頂きつつ、Q&Aタイム。
今回は通信の専門家も参加しており、テクニカルは話題が多くてすげーと言う感じ。印象的だったのはプロトコルについての話題。実はNEC biglobeも詳細はLogMeIn社から教えてもらっていないとのこと。通信をハックされる可能性を減らすための措置なのかな?
自分も聞きたかった質問が他の方から出された。それは「クライアントソフトは日本語化しないのか?」というもの。この手のちょっと技術的な障壁のあるソフトで英語だとやはり使いにくい。そもそも英語の画面がいきなり出た段階でげんなりする方が多いと思う。
「NECがローカライズして提供する」となれば、当然日本語表示でしょ?と思ってしまうし、その辺がユーザの期待でもある訳で。
その回答は「実は日本語化されており、設定で日本語表示に切り替えられる」とのこと。でも、その設定は非常に分かりにくいところにあり、しかも英語で表記されていることもあり、見つけるのは困難。技術系のブロガーが多いこのイベントでも大半の方が同じように考えていたようだ。
「デュアルモニターには対応しているか?」の質問については「確認して回答」とのことだったけど、どうなったのかな?
期待感と残念感が混じったのはiPhone上でのLogMeInのクライアントとなるiPhoneアプリLogMeIn Ignitionについて。自分はiPhoneユーザなので、外出先でいざ!と言う際にはiPhoneでのアクセスが充分にありえる。頼れる存在だ。でも、そんな場面は多くはないはず(これが日常的なものであればパソコンを持ち歩くね)。そのために3500円という価格は払う気にならない。
ここは、1回の使用につき500円/日の都度課金のような料金体系のほうがいいのではないかなぁ。その方が導入の障壁が低いし、結局は多くのユーザを得られそうだ。
とはいえ、機能はやはり魅力的。
このLogMeIn Ignitionのプレゼンを観てほしい。
仕様的には「過剰でない、必要充分な機能・性能を安価に提供している」と感じた。これはいい方向性だと思う。「身の丈にあったサービス」という印象。
一方でマーケティング的側面では「SOHOや自宅から会社のマシンにアクセスする在宅勤務さん等を想定」とのこと。
でも、これだとターゲットユーザ数が少ないんじゃないのかな?
上述したような「離れて暮らすパソコンに弱い家族のサポート」のツールとしては勿論、ファイル共有やデスクトップ共有、リモート印刷、といった簡単に作業をコラボレートできることが長所なので、もっとプライベートユース層を重視した方がよさそうに感じる。
ビジネスで使うには、もっと(余計な、過剰な)機能・性能が付いているほうが稟議も通りやすいのではないかな。日本ではリモートアクセスに対して過剰にセキュリティ面を気にする方が多いとNEC biglobeさんも仰っていたのだけれど。
プライベートで広がる方が契約数も増えそうだし。そもそも安価なサービスなので、契約数が増えないと辛いんじゃないかな。
技術的にはとてもいい感じなのだが、設定するターゲットユーザー層やユーザーニーズの汲み取り方、つまり売り方を少し変えたらもっといいのかも、とも感じた。
最後に要望&提案をいくつか(見てくれるかな?)。
・(Windows版について)クライアントのインストール時に勝手にmsconfigのスタートアップに登録するのはやめてほしい。
インストール時に選べるようにするべきでしょう。また、msconfigのスタートに登録だと、これを解除する方法が分からないユーザも多そう。
・クライアントソフトの初期表示を日本語化することは実は要らない。
初期表示の言語を変えるだけでもいろいろ面倒らしい。でも、そんなのは簡単に乗り越えられる。
1.ダウンロードボタンの脇に「初期表示は英語です」と表記する
2.そのそばに「日本語表示にする方法」を図示
これだけでいい。
一日あればできることじゃないかな。
・前述の通り、iPhoneアプリLogMeIn Ignitionの価格設定は変えたほうがいいのではないか?
・インストールが超簡単なのは素晴らしいけれど、それは何も知らない初心者のパソコンにも簡単にインストールできてしまうと言うこと。
これってソーシャルハック的なことが容易にできてしまう訳で、認証や暗号化とかよりも怖い。心配しすぎかなぁ。
いろいろ書いたけど、結構LogMeInは気に入っている。だから、却って細かい粗が目に付いてしまったかも。
プライベートでリモートアクセスを使いたいと言う方にはLogMeInとてもオススメ。
とにかく導入の障壁が低いことが魅力。
過剰な機能は不要。そして必要充分な機能が揃っている。
●上のビデオはiPhone3Gで動画撮影アプリVideo Geniusを用いて撮影しました。
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