「SANYO:エネループ・ブロガーミーティング」に参加しました。
以前からエネループには興味があり、非常に興味を持って臨みました。
そこで感じたのは三洋電機さんの高潔な志とエネループに込められた熱い想い。
単なる「性能の高い充電池」の開発・販売ではなく、それ以上の社会貢献を見据えての活動をしていることには感動するしかありませんでした。
これが話題のエネループランプ
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・日時:2009年6月30日
・会場:三洋電機株式会社 芝オフィス
まず、驚いたのは参加ブロガーのエネループ所有率。
9割方のブロガーがエネループを所有しており、その半数以上が6本以上だったかと思う。
その中でもジェット☆ダイスケさんは別格で、40本以上は持っているとか・・・。まぁ、この方なら納得か・・・。
●アルカリ充電池事業部部長田所さんによる開発秘話
・デジタル機器の普及により充電池ユーザは増えるはずなのに、ニッケル水素電池(所謂充電池)は乾電池に対して1%しか使われていなかった。その理由のひとつ「充電しても放置しておくと使えなくなる」、つまり事故放電の原因を突き止め、対策を施してエネループが生まれた。
・2003に世界に先駆け商品化し、市販用ニッケル水素電池は2004年に発売された。
エネループの特徴を纏めるとこうなる
・性能
充電後2年経過後も約80%のエネルギーをキープ
約1000回充電できる
・経済性
1回のコストは約4円
・環境性
使いきりの乾電池と比べて大幅にCO2排出量を削減
性能面のポイントは「充電後2年経過後も約80%の容量が残っている」ことだ。
今まで意識したことはなかったが、「バッテリーが切れる」という状態は、機器を動作させるために必要なレベル以下に電圧が下がってしまい、機器が動かなくなる/充電インジケータが転倒するということ。
そこで、電圧の低下を長期間防ぐことでバッテリーのもちをよくできたということだ。
意外だったことは「所謂メモリー効果はエネループにもある。しかし、電圧を上げることでメモリー効果を意識しないですむようになった。」ということ。
電圧を低下させないということに、そんな効能もあったとは・・・。
エネループは性能面だけを突出させたプロダクトではなく、その使い勝手を考慮する姿勢も素晴らしいと感じた。
例として挙げられたのは
・抗菌加工
・保管ケースとして使えるパッケージ
→日常に使っていたら保管をする必要がない気はするのだけれど・・・?
・デザイン性(2008年グッドデザイン賞をはじめとする数々の受賞)
●アドバンストデザインセンター所長清水さんによる「エネループユニバースの思想」
地球は大きな生命体。その「美しい地球といとおしい命」を「透明感のあるブルー」で海を表し、「パール」でそこに住む命を表したのがエネループの基本デザイン。
その思想に基づく「繰り返し使う」プロダクト展開が「Think GAIA」。
とても高潔な思想で強く共感した。
日本をリードする大企業がこういう姿勢を見せることはとても重要。
エネループユニバースで使われているフォントは自社開発で統一感を出している。これも、デザインを重視=気持ちよく使ってもらえることへのこだわり。
●eneloopユニバース事業推進グループ課長水田さんによる「エネループランプ」秘話
エネループランプは自身が阪神淡路大震災で被災したことをきっかけに「乾電池って本当に役に立っているのだろうか」思い描いていたもの。
懐中電灯は
・普段収納されているので、いざという時に見つからない
・本当に使いたいときには電池切れのときが多い
・使われないままに寿命を迎えた乾電池が破棄されることが多い
・棒状のものが多く、転倒時には転がっていって見つからなかったり、隙間に入り込むこともある
という問題があり、それを解決したかった。
それを解決したいという想いを実現したいと、会社に強く提案して出来上がったものがエネループランプ。そしてこの美しいデザインにはデザイナーとしての水田さんの想いが込められている。
エネループランプの特徴を纏めると、以下の通り。
1:光自体に効能のあるホワイトモード/ブルーモード
懐中電灯モード:持ち手を持って逆さにすると自動点灯(冒頭の写真を参照)
転倒すると自動点等
転倒した位置から大きく移動しない
2:無接点充電(スタンドに置いておくだけ)
3:パワーソースは単3エネループ2本
4:実際に災害に遭って、テーブルから落下しても大丈夫な強度を持ち、しかもインテリア性を備えている。
エネループランプの被災実験のビデオを観せていただいたので、それをここにアップしておくので、是非観てほしい。ポイントは、
・テーブルから落下しても壊れない
・すぐに自動点等
・充分な明るさ
・上部と下部の直径が違うため、その場で回転して、移動しない
●マーケティング本部コミュニケーション部伊藤さんの「【さあ、eneloopの輪に入ろう。】サイトの取り組み」
「さあ、eneloopの輪に入ろう。」サイトも、当日昼にオープンしたもの(ただし、直前まで開発作業が続いていたらしい・・・)。
年間乾電池21億本(国内廃棄分)をなんとかしたい!これを充電地にすることで地球を救えるという想いをThink GAIA的にサイトで表現したものがこれ。
「さあ、eneloopの輪に入ろう。」サイトはここ(音が出るのでご注意を)
日本語サイト
英語サイト
こちらはそのキャンペーンサイト
START! eneloop ~さあ、eneloopの輪に入ろう。
参加メンバーがThinkGAIAな想いを出し合い、サイト内での活動で得られるエネループポイントで社会貢献が出来るという、コミュニケーションと社会貢献が出来るという、ちょっと新しいスタイル。
コンテンツはどんどん拡充されていくとのことで、目が離せない。
興味のある方は登録するといいと思う。
このサイトを立ち上げたことにも、社会貢献活動の志の高さを感じる。
●その他こぼれ話的ないろいろ
・質疑応答
Q.エネループのサイズが大きめなので、電池ケースに入れにくいことが多いがなんとかならないか
A.ちゃんと電池サイズの企画に則って作っている。電池容量の確保のためにも、小さめに作るということはありえない
(電池ケースを小さくして機器部分を多くとりたい機器メーカーとの争いなのかなぁと思った)
・機器への同梱が進めるエネループの普及
ヤマハICレコーダー、willcomのどこでもWiFi、ニコンのメディアポートなどに同梱。
カシオやシャープの電子辞書では推奨電池とされているらしい。
・広報活動としてのコラボレーション
タカラトミーの二足歩行ロボットi-SOBOTに同梱された。
その縁でi-SOBOTワールドワイドモデルにも協力し、エネループのマスコット「エネルーピー」も各国モデルを作った。
(ちなみにエネルーピーは電池チェッカーになっていて、腹部に電池を入れて、電池容量があれば鼻が光る)
・まぼろしのエネループパッケージ試作案「nandomo」
これは貴重な画像!
エネループのデザインパッケージの候補であった「nandomo」。
確かにいろいろと微妙な感じ・・・。
このnandomoを超えたプロダクトデザインを生み出せたことがエネループの成功の大きな要素のひとつですね!
●最後に思ったこと
三洋電機さんのホスピタリティの高さを随所に感じました。
自分はまだ会場設営が終ってないうちに会場に着いてしまったのだけれど、「では、こちらでもご覧になってください」と、向かいの部屋にあるエネループプロダクトの展示コーナーに案内していただき、自由に見せていただきました。
会議室では電源と無線LANを使用させていただきました。
その会議室の入り口にはウイルスウォッシャーを設置して、参加者の健康を気遣い、テーブルの上にはお菓子がおかれていました(ミーティングの最中に小腹のへることはよくあるのです・・・)。
そして、最後にはエネループの「充電器セット(単3×2、単4×2付)」までいただいてしまいました。
実際に使ってこそ、そのよさが分かるということでしょうが、これには恐縮するばかり。。
(実はこのエントリを書くのに使っている無線マウスの電池は、すでにそのエネループに差し替えている)
そんな社風がThinkGAIAへの熱い想いにつながっていったのかなぁ・・・、などと帰りがけに感じた。
三洋電機さん、ありがとうございました!
おまけ:
この日のために群馬工場からやってきた巨大エネルーピー。
SANYO eneloop 充電器 単3形4個セット (単3形・単4形兼用) N-TG1S 三洋電機 2006-03-21by G-Tools |