自分にとって年越しそばは、気軽にサクッと食べて引き揚げる・・・というイメージでした。
しかし、この年末に訪れた「松竹庵 ます川」ではまた違う年越しそばの楽しみ方を知りました。
そもそもは以前にも訪れている神田の「藪そば」の行列に並んだもののあまりの混雑に挫けて、そこから歩いて数分、行列も10mほどと短かった松竹庵に移動したのですが、その美味しさやもてなし方はこれまで自分が持っていた年越しそばのイメージを変えてしまいました。
「こんな年越しそばもあるんだ」と。
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行列にかかる時間は長かった
単に藪そばの近くで美味しそうで行列の短いそば屋さんはないかなーと探して辿り着いた松竹庵だけど、後から調べてみるとなかなかの銘店であった様子で・・・。
松竹庵の行列に並んだのは15:30頃。行列は10m程度なのでそれほど待たずに食べられるだろうとの目論見だったのだけど、これが甘かった・・・。列がまったく進まない。
ようやく入口前まで来ると、ショーケースに本日のメニューが。大晦日の特別メニューで2品だけなのですねー。ここは年越し天せいろしか選び様がないなと。
そしてようやく店内に入れたのは17時頃。大分寒くなってきたのでホッとしたのだけど・・・。
店内は厨房とカウンター席の1階とテーブル席のみの2階があり、自分たちが通されたのは2階席。なんとこの日は1階席でのみの食事で、2階席は引き続き待合の席、つまりここが行列の先頭みたいなもので。
この2階席に置かれていたメニューを再度見直してじっくり待つ我々。メニューを絞っているののは年越し蕎麦特需で混みあうのを防ぐためなのだろうと思ったのだけど、そうではなかった。
そして17時30分頃についに1階席に通された。並ぶカウンターは12席ある。席についたからといってすぐにお茶が出るわけでも、注文を取られるでもなく。
でもそれがこの店の作法ということが段々とわかってきた。常連さんはカウンター越しに会話を楽しみ、ゆっくりと料理が出るのを待っている。
カウンターに飾られた野菜たちが少しづつ捌かれていく。
これは天せいろ蕎麦のコース料理だ!
注文したのは天せいろなので、天ぷらと蕎麦が一緒に出てくると思ったらそうではなかった。天ぷらが一品づつ出される。
最初に出されたのがカニとエビ。カニはカリッと、エビはふっくらと。これを塩でいただく。
続いてキス。小振りだけど肉厚。サックリとして柔らか。これは天つゆで。
そして大きな甘長唐辛子(と言うらしい)と大ナス。唐辛子と言っても、辛さはほんのりとしたもので。
更に帆立。ミディアムレアの火加減で出すのが自慢らしい。ジューシーで美味しい!
〆に出されるそば湯はとても濃厚で、香りもよかった。
コース料理だからこそ
年越しそばで数が出ると言ってたくさん作るのではなく、味わい深いものをじっくりと楽しませるスタイルの年越しそばでした。
気軽にさっと店に入って、さっと食べて店を出るのとは違う年越しそばの楽しみを教えてくれた店でした。
行列に並んでいる間に「まだかなーまだかなー」と焦れていたのが恥ずかしくなりました w
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