本日の15時から、長く日本のサッカーを牽引してきた一人の名波浩選手の引退試合が開催された。
テレビではBS-TBSで中継され、自分は自宅でガッツリと観戦。
素晴らしい引退試合だった。
感動してしまった。
自分を含めて、この試合を観ながらつぶやいていたついったったーは多いようで、試合終了後にばずったーを見たら、こんなにグラフが動いていた。
そして、いつの間にか名波選手のことを色々と思い返していたので、その思いを纏めてみた。
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自分は昔はあまり名波選手には興味がなかった。でも、段々と魅せられていった。
それはテクニックだけではなく、彼の強いキャプテンシーと献身的なプレーにだった。
そして彼はチームを引っ張る存在になり、代表でも彼は中心選手になった。
そもそもはトップ下でのプレーが一番向いていたんだろうけれど(実際そのポジションにいた)、チームにボランチを任されたのが転機だったんじゃないかな。
前線に供給するボールの精度は高かったのは勿論のことだけど、確実に相手の攻撃の芽を摘み取るための運動量、激しい動きの負担に耐えられる体になったことで、名波選手のプレーに深みや凄みを感じるようになった。
華麗なプレーはそのままに、激しく、泥臭いプレーもそつなくこなし、チームを鼓舞する。
この辺はかつてのラモスと似ているかな。
ドゥンガにも影響受けているだろうな。
(ドゥンガやスキラッチは引退試合に招待しなかったのかな?)
そんなプレーに裏打ちされたキャプテンシーに「頼れる選手だなー」と思うようになった。
その頃から自分の「憧れの選手」の一人になった。
残念だったのは、日韓共催ワールドカップの直前に怪我をしてしまったこと。名波がいないことを心配したけれど、その予感は的中して日韓共催ワールドカップでは悲惨な結果に終った。
「名波がいれば・・・」と毎試合後に悔しく思ったね。特に、雨の中仙台まで試合を観にいって打ちのめされたあの夜。
そして、それからは代表に招集されなかったんじゃないかな?
確かに「若い選手を育てる方が大事だし、怪我を抱えた選手を招集してもね」とは思うけれど、海外での経験やその質の高いプレー、精神力を若い選手に継承させるためには、歴代代表監督はもっと名波を召集するべきだったと思う。
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で、今日の引退試合の感想。
華やかだったな。特に前半。
各選手が華を持っているよね。そして、全員が楽しみながら、かつ真剣にプレーをしていた。
キング・カズはやっぱりスター。お客さんの沸かせ方を知っている。
ゴン中山はチャンスを量産しつつもゴールを外しまくっていたけど、最後に名波のアシストで1点ゲット。
あの名波が中山に出したパスには「中山に点を取ってほしい」という、中山への愛を感じたね。いくつもプレーの選択肢がある中で、只管に中山にボールを送ったもんね。
時間と共に存在感を増していったヒデのプレーにもしびれた。
そして試合の最後の最後に名波自身が豪快な左足でのボレーを決めて、そのまま胴上げ。
あり得ない展開だよね。こんなシナリオ、誰が作った?ってくらい。
素晴らしいメンバーが集まって、素晴らしい内容の引退試合。
もう、思い残すことはないよね。
引退宣言は去年だったけど、今日が本当の引退だと思う。
もう「選手」って呼ぶのも最後だね。
名波選手、お疲れ様でした。
●参考リンク
J’s GOAL – Jリーグ公認ファンサイトより
【名波浩 引退試合 STELLE JUBILO vs AZZURRI GIAPPONE】
名波浩 夢の中まで左足 ベースボール・マガジン社 2009-01-21by G-Tools |
名波浩 栄光への道のり (スポーツノンフィクション) 学習研究社 2008-09by G-Tools |