久しぶりに変なマーケティングリサーチレポートフィーチャーフォンユーザーの約6割がスマートフォンに必要性を感じていない | MMD研究所がMDD研究所から。
MDD研究所は、フィーチャーフォン(スマートフォン以前の従来型の携帯電話)ユーザーの利用実態調査を実施し、結果を明らかにした。現在のフィーチャーフォンユーザーは、スマートフォンに必要性を感じず、インターネットの利用も活発でない様子が報告されている。
フィーチャーフォンを使っている層とスマートホンが不要でインターネットに対してもアクティブではない層はかなりの割合で重なるのは容易に想像がつくことだし、そんな調査結果はこれまでにもいろいろあったはず。
そもそも「スマートホンに必要性を感じていないから、フィーチャーフォンを使っている」のって当たり前なことなのではないかな?
そんな「なにを今更感」の強いレポートをちょっと突っ込みながら読んでみよう。
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このリサーチの詳細はフィーチャーフォンユーザーの約6割がスマートフォンに必要性を感じていない | MMD研究所にまとめられている。
有効回答数は994人なので、母集団の規模は大丈夫だけど、その他に偏る要素があるかは不明。混ぜかというと、回答者層やリクルーティング方法が明記されていないから。
さて、今回アンケートにされた4つの設問ごとに見てみよう。
以下の見出しは実際のアンケートの設問をそのまま使っています。
スマートフォンの購入を検討しない理由
一見、ちゃんとした質問に見えるけれど、ちょっとおかしい。答えようがないよね、こういうの。この中には「購入を検討しない」ではなく、「購入を検討した結果購入しなかった」もかなり含まれるはず。結局は「積極的に購入する要因がない」ということに収斂されるものでしょう。
無理矢理に理由の選択肢を作っているけれど、こういう設問は体裁を整えるだけのどうでもいいもので興味も持てない。
スマートホン購入意向
この設問、選択肢をよく見れば、聞きたいのは「いつ頃スマートホンを買いますか?」という購入時期らしい。もう設問の日本語をわざとおかしくしているとしか思えない。
選択肢には「今年の6月頃までに」「今年の8月頃までに」「今年の10月頃までに」「今年中に」と2ヶ月毎に聞いているけど、そんなに細かく聞いても明確にそう決めている人なんか少ないし、実際にその通りに買う人もなおのこと少ないでしょう。
この設問も、こんな聞き方してもいみないよね、という典型的な設問スタイル。
現在利用しているフィチャーフォンでよく利用している機能
さらに設問の日本語もちょっとおかしくなってきています w ほんとに大丈夫か?
ここはまるっとリリースをそのまま引用してしまいます。
スマートフォン購入意向で「特に決めていない」「購入する予定はない」と回答した人(N=473)によく利用する機能について聞いたところ、「通話機能」「メール機能」という回答が90%を超す結果となっている。ちなみにインターネット機能の利用は22.4%となっている。
そもそも現在の携帯電話の基本的な使い方として「通話」と「メール」が主たるものであるのは言わずもがな。更にフィーチャーフォンユーザに限ればその傾向は更に強まることも明白。それをわざわざリリースの文字数割いて謳うことに何の意味があるんだろう・・・。
こうなってくると、自分は腹が立ってきます。「こんな調査いらないじゃん!」と。
現在利用しているフィチャーフォンを購入した時期
とは言え、ギモンな設問ばかりでもなく、この設問の結果は「やや」おもしろい。フィーチャーフォンユーザは端末の買い替えサイクルが遅めなのか・・・とちょっと納得しそうになった。
でも、この設問はスマートフォンユーザに同様の設問をして、クロス集計などで比較しないことには、このサイクルが早いとも遅いとも言えないよね。
つまり読み手の印象に頼っただけの、何かの根拠に基づいた(別の層との比較とか)傾向や事実を明らかにしたものではないので、これも調査する価値あるのかぁ?と苛立ちます(多分「余計なお世話だ」といわれるのでしょうが)。
と、おもしろマーケティングリサーチを久々に読み解いてみました。
こんな調査データだったら、お金出して買う価値はないね、というのが僕の感想です。
MMD研究所では、なんとこの調査のローデータと集計表を29800円で売ってるんですよ、奥さん!
はっきり言って、プロの仕業とはいえないレベルのリサーチだと思います。
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